ポエム そうだ、何か書こう番外編

今までの作品とはまったく関係のない番外編

今日はとても体調が悪かったので一日中寝ていました

ポエム そうだ、何か書こう7を書きたかったのですが頭が回らず昨日までの自分が何を言いたいのかわからないので新しい話を考えて書いてみました

アイデア出し無しの一発書きなので明日には直したい欲が出てるかもしれませんが、明日の私がどう考えるか今の私にはわからないのでアップしておきます

タイトル レールを外れて空を飛ぶ夜

私の人生は退屈だった

思春期の頃だろうか、私は人の会話には正解があることに気が付いた
人は会話をしながら言って欲しいことが存在している
食べ物一つ選ぶ時もそうだ、なんでもいいと言う人には食べたいものが存在する
私はその正解を読み解き言って欲しいことを言うことにたけていた

私の人生は普通だった

国が考える普通の人間のように大学へ行き就職をした
デスクワークで書類を睨み、時に間違え、時に謝罪した
それでも会話は間違えなかったので大きな問題にはならなかった

私の人生は退屈で普通だった
そんな私は退屈で普通だった

私はこの先もレールを外れずに生きていくだろう

~~~~~~

深夜の住宅街、私はバーで酒を飲んでいた
バーは私のわがままな注文を聞いてくれる
今の気分を伝えるとマスターが考える私の飲みたい酒が出てくるのが好きだし酒の味も好きだ
ただ普段は酒を飲まないので今日は珍しい日でもあった
酒を飲むと自分が自分でない感じが好きではなかったから普段は飲まないのだ
そんな状態だから隣で何かを眺めているつまらなそうな男に声をかけたのだろう

「何を見ているのですか?」
私が訪ねると男は尋ね返した
「あなたは私が何を見ていると思いますか」
(ああ、面倒なタイプだ)
私はこの手のタイプは答えを持っていないことを知っていた、だから他人を困らせて楽しんでいることも
(なら相手が絶対考えていないことを言って逆に困らせてやれば自白する)
このときマスターの後ろにずらっと並んでる瓶の一つに牛の絵柄の酒があることに気が付いた
「あの酒の瓶に書いてある牛の種類についてでしょうか?」
男は笑いながらこちらを向いて肩をポンポンたたいた
「あなたは面白い人だ、でも私が考えていたこととは違う」
肩を叩き終えるとカウンターに向き直り酒を片手に
「私はこの酒瓶の物語を考えていたんです」
私の回答の上をいく私を困らせる答えを出してきた

「酒瓶の物語ですか?」
私が困惑していることに気が付いているのだろう、男は話を続けた
「この酒瓶はいろんな国から来たんです、アメリカ、ドイツ、イギリス、ベルギー。もしかしたら私たちの知らない国からもきてるかもしれない」
「そんな酒瓶たちはここで一直線に並べられて喧嘩はしないんでしょうか?」
「私はそんな瓶たちの物語を考えているんです」
私の困惑は一層強いものになった
しかしこの会話自体は難しいものではない、これは知恵比べだ
相手が物語を語りたいなら私もそれにのればいい
「アイリッシュウイスキーとスコッチウイスキーは他の酒瓶にイギリス人だと思われてるでしょうけど実際はスコットランド人とアイルランド人だと思ってるでしょうね」
相手は相当酔ってるのだろう、ひとしきり大笑いするとたとえ話をした
「そうかもしれない。でもそれは私たち人間の話です、酒瓶はもっと違うことを考えてるかもしれない」
「お前の親酒は俺のひい爺さんがよそで作った酒の子どもだって言ってるかもしれないし、もっと仲がいいかもしれない」
「私はそんな正解がない物語を考えるのが好きなんです」
男は照れくさそうに笑い手元の酒をグッと飲みほすと会計をして帰って行った

私も酔っていたのだろう、男の言っていた正解のない物語の事がなんとなく気になって想像を続けた
グリーンティーリキュールは武士だろうか?いや、お茶とは名ばかりで甘いからアメリカかぶれの意識高い系かもしれない。でも烏龍茶ともミルクとも仲がいい器用なやつだヤリサーの大学生かも
コーヒーリキュールはなんと言っているだろう?ミルクと仲が良いのかな?じゃあグリーンティーとコーヒーとミルクで三角関係だ
そんな明日の朝には忘れてしまうであろう物語を浮かばせては消した
私はそんな事を考えてる自分がだんだんおかしくなってきて、らしくないことを考えはじめた

私が今まで正解だと思っていた会話の答えたちも物語の一つにすぎないのだろう
人にはそれぞれ物語が存在する、私が得意としてきた会話はすべて相手の想定内の言ってしまえば王道の回答だ
王道の回答も別に間違えではない、でもそれだけでは物語にならない
でもグリーンティーリキュールを烏龍茶で割ってもミルクで割ってもいいように答えはいろいろある
きっと王道の答えを期待していた相手が気が付かないような未来が残っている答えもある
明日は少し会話を間違えてみようか?私が間違えたら会話相手とどんな物語を続けるんだろうか?
でもきっと、明日にはそんな事忘れて王道を通り続けるだろう。人には自分の仕事と役割がある。

でも今だけは私による自分だけの物語を紡ぎ続けたかった
たまには楽しくてエキサイティングな私になっても良い
今夜だけは人生のレールを外れ空想の空へ飛んでいきたい気持ちなのだから

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