ポエム そうだ、なにか書こう15

これの続き

前回は1話の後半を書こうと思いましたが出来上がったのは2話でした

まあそれは大した問題ではないです

正直大問題は場面が少なすぎて主人公が明るいシーンが書けてないので主人公が普通の根暗に見える。

これの対処法は主人公が明るいシーンを入れる、もしくは主人公は根暗ってことにするか、悩ましいね

あといつもの誤字脱字と説明不足
しっかり確認しような。

今回は反省を踏まえて書いてみます

タイトル 未定

1話

春。30年後に世界が滅ぶなど、嘘のように感じるほど気持ちの良い季節。
私は新しい制服に着て高校に向かっていた。
高校が近づいてくると昨日の入学式で見た顔が増えていく、私は新しい友達ができるかと少し不安になりつつもいったん深呼吸をして正門をくぐった。

少しくたびれた下駄箱で靴を履き替え、案内に書いてある自分のクラスへ向かっていると。途中にいくつかの使われてない教室が目に入る。
昨日のオリエンテーションの話では、少子化の影響で生徒の数が昔に比べてかなり減ったらしい。
私としては今の人数でも問題はないとは思うけど。今見ていた教室にも人が賑わい溢れていたと思うと、少し寂しくもなる。

 

クラスに着くと自分の席に座り周りを見渡してみると。一部の知り合い同士を除いて、クラスのみんなも同じようにキョロキョロと周りを見ている。
(見渡している同士で話かければいいのに)と思ったけど、自分も同じことを思われてると思うと少し可笑しくなる。そんな事を考えていると隣の席が空席なことに気が付いた。
時計はあと5分でホームルームの時間をさしてしまう。私はまだ知らぬお隣さんを心配し始めると入口のドアが開き、ロングの髪を揺らしながら涼しい顔で女性が入ってきた。空席の数的に彼女がお隣さんで間違いないと思う。

 

彼女が隣の席に座ったのを確認すると私は元気よく自己紹介を兼ねて挨拶をした。
「おはよう!私の名前はまり。これからよろしくね、あなたの名前は?」
「え?ああ、おはよう。私の名前はことみ、よろしくね」
「うん!よろしくね。それにしてもホームルームぎりぎりだったね、寝坊?」
「うーん、ギリギリに出ても間に合うってわかって寝てたから寝坊ではないよ。しいて言うなら計画的な寝坊かな?」
「へー、私なら間に合うってわかってても時間ぎりぎりになったら走っちゃうかも」
「ふふ、それは慣れだよ」
突然話しかけられて驚いたようだったお隣さんだったけど、最後には笑ってくれてよかった、彼女が良い人みたいで安心する。

 

キーンコーンカーンコーン
もっとことみさんと、お話をしたかったけどチャイムが鳴ってしまった。少し残念。
そのあとすぐ若い男の先生が入ってきて挨拶を始めた。
「えーっと、まずは入学おめでとうございます。昨日のオリエンテーションで、簡単な学校の説明を受けたと思いますから特に話すこともないのですが、一つだけ。皆さんも知っているとは思いますがこの世界は今から30年後に滅びます。なので悔いのない学生生活を送って一日一日を楽しんでください」
先生はそう言うと今後の予定などを説明し始めたが、私はその挨拶で心待ちにしていた学生生活に水を差された気分だった。

 

先生は本当に言ったままの事を伝えたかったのだと思うけど、今から学生生活をする私たちは一体何をしたら悔いのない学生生活になるのだろうか?
勉強に励んでもっと遊べばよかったと思う人もいれば、遊び続けてもっと勉強すればよかったと後悔する人もいる。だったら、悔いのない学生生活を送るなんてできるはずがない。
だいたい、30年後に死ぬと再確認させながら毎日をしっかりと楽しめと言われても困ってしまう。私は世界が滅びるから悔いのないように学生生活をしようと思いながら生活をしたらそれこそ悔いのある生活になってしまう。
私は自分の心に暗いモヤッとしたものが広がっていくのを感じた。

 

ホームルームの後の休み時間に私は、隣の席のことみさんにさっき感じたモヤモヤを話してみることにした。
「ねえ、ことみさん。先生の話理解できた?滅びるこの世界で悔いのない学生生活を送れって言ってたけど私はしっくりこないのよね」
「そう?滅びることが決定してるなら人生楽しんだ方が良いって話だから私は特にそう感じなかったけど」
「うーん、そう言われると確かにそうなんだけど。私は世界が滅びるってことをまだ受け入れきれてないから、そう思えるけど考えられないのよね・・・・・・」
「うーん、そうだねー。考えかたの違いかもしれないけど私はそんなことで悩んだこと無いから参考になることは言えないかも。ごめんね」
突然話かけたのに、ことみさんはしっかりと自分の考えを話してくれたし解決しなかったことを申し訳なく思ってくれている。話しかけた私が言うことではないけど彼女はやっぱりとてもいい人だ。
でも、私が説明下手なのもあるけどもやもやを共感してもらえなかったのは少し残念でもある。
でも彼女は悪くない、私がいつまでも世界が滅びることを受け入れられないのが悪いのだ。

思い返せば、物心ついたころの誕生日、両親はたくさん祝福してくれたけど少し悲しそうな顔をしていた。きっと、あの時の両親は私の誕生日が来るたびに世界の滅びへのカウントが1減ることを再確認していたのだろう。

だからそんな世界に生まれた私が可哀そうだと思ってみてたんだと思う。
そんな両親をみて育ってきたからか私もこの世界が滅びることをわかってはいるけど理解しきれていないのかもしれない。

 

その後は教科書の配布で授業は終わった。授業が終わってもしばらくの間、悔いのない学生生活というものを思い浮かべては納得できなかった。
だけど、他から見ればくだらない話をしっかりと聞いてくれたことみさんの気遣いが嬉しくて、彼女と仲良くしたいと思ったのは今日得られた唯一の確かな気持ちだった。

 

~~~~~~

 

次の日、私が学校に行くと昨日より多くの話声が聞こえる。
どうやら少しずつみんな打ち解けているらしい。
私も昨日より多くの人と挨拶ができて少しずつクラスに馴染んできました。

 

その日の休み時間、私が本を読んでいると。隣の席のことみさんが興味を持ったのか声をかけてきて。
「あれ?まりさん、なんの本を読んでるの?」
「最近出た魔法使いが主人公の本だよ、すっごい面白いんだよ!」
「へー、私あんまりファンタジー小説読まないからあまり詳しくないのよね」
「意外!ことみさんって本をたくさん読む人だと思ってた」
「本を読むのは間違ってないけど、基本読むのはノンフィクション系なのよ」

 

私は本を読むのが好きだ。物語を読んでいると自分が違う世界に入っていくような感覚がして好きなのだ。だからもっぱら読むのはファンタジーとかSF系。
ことみさんはノンフィクション系の本を読むと言ってるけどクールな彼女にピッタリだと思う。
「なるほど、カッコいい系のことみさんらしいね!」
「なにそれ、変なこと言うのね。そうだ、もしよかったらお勧めの本を教えてよ」
「うーん、そうだなー。じゃあ私にもノンフィクションのお勧め教えてよ!一緒にお勧めを読もう?」
「いいね、そうしよう。私が好きなのはね」
ことみさんは少し可笑しそう言うと、お勧めの本を聞いてきたので彼女の好きそうなお勧めの本を考えたけど、さすがに昨日出会った人にお勧めの本は思いつかなかった。
だから、お互いに自分が好きな本を読むのはどうかと思って言ってみたけど、彼女も面白いと思ってくれたようだ。

 

その後はお互いに好きな本の紹介をした。私は魔法や剣の物語を、ことみさんが紹介してくれた本は戦争とか事件とか難しそうだけど、話をしていることみさんはイキイキとしていてとっても楽しそうだった。
そんな私もきっと、話をしているときはイキイキとしてたのだろう。だって自分の好きな本の話を聞いてくれる機会なんて滅多にないから。

 

お互いに2冊ほどお勧めしあうと授業開始のチャイムがなって本の紹介はお開きになった。
その日の放課後に彼女のお勧めの本を買って家で読んでみると、今までの自分の知っている世界と違って面白くて、どんどん読んだ結果。次の日は少し寝不足だった。
でも、彼女は私のお勧めの本を読んでくれるだろうか?
少し不安だったけど、その不安は杞憂に終わった。

 

だって彼女もお勧めした本を少し眠そうな目で休み時間に読んでいたのだから。

2話

「おはよう」
「うん!おはよう!」
学校に通うようになって1週間がたち、クラスの人たちもだいぶ馴染み始めて声をかけにくそうにキョロキョロする人はいなくなりました。そんな私も少しだけ友達ができるか不安でしたが、今ではたくさんの友達ができました。いま挨拶をしてくれた人もそうです。
そのなかでも特によく話すのがいつも遅刻ギリギリにやってくる彼女。
「あ!おはよう!ことみさん!今日はいつもり少し早いね」
「おはよう、まりさんはいつも元気だね」
「そうかな?私は結構悩んで暗くなるタイプだと思うけど」
「それがあったとしても元気なタイプだと思うよ」
私とは性格は違うけどとても話してて楽しい素敵な人です。
すぐ悩んで唸っている私とは違ってことみさんは落ち着いていて落ち込んで悩んでいるところは見たことがない。もしかして悩んだりしないのかな?

 

「ねえ、ことみさん。あなたって悩んだりすることってあるの?」
「ずいぶん突然な質問だね、なんでそう思うの?」
「ことみさんは自分で悩んでもわからないものはわからないって答えをだしそうな気がして」
「あー、それはあるかもしれない。だって悩んでもデータがないものはわからないし、逆にデータがあるものは悩む必要がないもの」
「なるほど?」
「たとえば前にまりさんは先生の話を聞いてモヤモヤしてたでしょ?でも、私からすればあの話は二人の解釈違いだから先生に直接聞けばわかることなのにって思ったの。でも、先生が出ていったあとだからその時点ではもう何を言いたいかは迷宮入りだよね。だからもし私が同じことで疑問に思っても他の人にはしないだろうなと」
「そうか・・・・・・なんかごめんね」
「え?あーそうか、えーと、嫌味とかじゃなくてね。そのなんていうのか・・・・・・」
「ううん、嫌味とか悪意じゃないのはわかってる。でも今の話を聞いて悩みを押し付けてるみたいで悪いことをしたなって思って」
「別にいいんじゃない?人に意見を求めるのは自分を柔軟に持ってるってことだよ。逆に私は一人で解決したりするから人と違う意見になったりして困ったりするしね」

 

やはりことみさんはできる女性って感じだ、だからこそタイプの違う私は不安になってしまう。
「ねえ、私はことみさんと一緒にいると楽しいけど。ことみさんは私と一緒にいて迷惑だったりしない?一緒にいて楽しい?」
「うーん、まりさんは生活は元気だけど性格はかなりネガティブだね。私も一緒にいて楽しいよ。でもね、まりさんがそう感じるのが私の悩みなんだよ」
「というと?」
「私は悩みもなんでも自分で完結するから人に話したりしないの。だから、何を考えてるのかわからないってよく言われる」
「なるほど、私は思ったことをすぐ口に出しちゃうからそんなこと言われたこと無いや」
「だからかな、私としては悩んだことを訪ねてくれると私は思ってることを言えるから楽なんだよ。だから私はまりさんと一緒にいるの好きだよ」
「私もことみさんと一緒にいるの好きだよ!」
ことみさんはふふっと笑うと少し恥ずかしそうにしていた。
それにしてもクラスの人とよく授業の話をしてることみさんが友達付き合いで悩んでるのは意外だった。もしかしたら彼女なりに今友達付き合いを頑張っているのかもしれない。

 

キーンコーンカーンコーン
彼女は朝来るのが遅いので朝はあまり話せないのが残念だ。チャイムがなり終わるといつもの男の担任とは違う女性の先生が入ってきて挨拶を始めた。

 

「今日私は特別授業を担当します、五十嵐です。よろしくお願いします」
「特別授業では、今から70年前、この星を爆散させるほどの威力を持つ爆弾が見つかったころから現在まで、私たちがどう対応してきたを学びます」

 

今日は近代の歴史を学ぶ特別授業です、講師の先生はどこかの役所から来たのかピシッとスーツを着る姿が決まっている。

 

「まずこの爆弾は昔から存在し現在の科学でも謎の多い、いわばアーティファクト的な物とされ発掘された遺跡は観光地になっていました」
「ですが先の大戦で戦略のため核兵器を開発し実験をしたところ、実験場所から大きく離れた遺跡から実験と同時刻に突然発光をはじめアラーム音と共に何かのカウントを始めたと情報が入ります」
「カウントを解析すると、我々の時間で大体100年後に0になるようになっているとわかりました。そして発光はこの世界でいうプロジェクターのようになっていて解析するとこのような映像が出てきました」

教室が暗くなりスライドが始まる。1枚目は緑に覆われているのでわかりにくいがこの星の衛星写真、2枚目で星がバラバラになり、3枚目で跡形もなくなるというとても分かりやすいものだった。
ただこの手の画像はもはや見飽きているのもあり、クラス中からあくびの音が聞こえる。
「このメッセージから私たちは、これを星を吹き飛ばす規模を持つ爆弾と考え行動しています」

 

正直先生の話していることは、それこそ1年に一度はテレビの特番でみるレベルの話だ。私も最初聞いたときはショックだったけど今となっては感覚がマヒしている。
今日の授業は本当に基本の基本的な話だけで終わった。ただこの特別授業は季節ごとにやるらしいので少し面倒ではある。

 

「あれ?意外に落ち込んでない」
授業が終わるとことみさんが私の方を見て少し驚いた顔をしている。
「もう昔に一生分は落ち込んで悩んだからねー」
「ふふ、まりさんらしい」
「だって世界が滅ぶんだよ?私たちが45歳ぐらいの時に強制的に人生終わるんだよ?とてもじゃないけど受け入れられないよ」
「でも答えは出たんだ」
「うん、世界に滅んで欲しくないって思った。だけどダメだね、私は世界のためになる理系科目は苦手で役に立てそうにないもん」
「なるほどね」
「ことみさんは世界が滅ぶことをどう思ってるの?」

 

ことみさんは少し悩んで
「私は悩んだことがないな、人生が45歳で終わるならそれまで楽しんで生きていきたい。むしろ老後の不安がない分幸運だと思ってるかも」
あっけらかんとした態度でそう言うと次の授業のチャイムが鳴ってこの話はお開きになった。

 ~~~~~~

(体が元気なうちに世界が終わるからラッキー……か)
授業が始まってもその言葉が頭から離れなかった。
彼女は世界が滅びることを嫌だと思っていない。
けどそれはこの世界では変なことではなかったし、現に今この世界ではそんなネガティブに前向きな考えが流行している。
それこそ最近のテレビでは終活と銘打って、悔いのない人生の過ごし方を紹介するようになった。
けど私の中では人生半ばに世界が終わって強制的に人生が終わるのが一番の悔いだ。
だからと言って私は何か行動をするわけでもない。いや、何をしたらいいのかわからないって言い方が正しいのかもしれないが。そんな私のように、中途半端に世界に滅びて欲しくないと言いながら何もしない人間の方が少数だ。

何もできない、しても意味がないとわかったとき私はむしろ気楽に生きれるかもしれない。

 

私はそっと窓の外を見るとサクラの花はほぼ散り葉が芽吹いている。
お前も、いつまでも後悔してないで変わるときなんだ。春の陽気がそう言っているように感じた。


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