ポエム そうだ、何か書こう9

これの続き

前回「。」を付けて整理整頓すると、一気に文章が読みやすくなると気が付きました。
今回は、過去のサンプルも同じ方法で整理したいと思います。

サンプル1

「そんな記録なんて私たちが飛ばさなくても誰かが飛ばすわ!」
文庫本サイズの荷物を積んだロケットが、細い煙を残して空へ消えていく。
「だから、もっと面白いものを飛ばすの!」
それはまるで空に美しく咲く花火のように見えるが、美しく咲くことはない。
「もし、それを誰かが見つけた時」
青い空を超えて暗い宇宙についても、それは漂い続ける。
「この星が爆破で消えてしまった事を惜しませるようなね!」
それはきっと、この星に残しておけない未練なのだろう。

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ピピピピピピ
朝、夜が終わり太陽が昇る時間。
夜更かしより早起きが得意な私はもう起きる時間だ。
朝食も適当に済ませた私は、鞄にいくつかの本を詰め遅刻には程遠い朝の通学路を歩いていた。
(今日は教室でどの本を読もうか?)
歩くたびに鞄の中で楽しげに揺れる本の事を考えると、今日一日が良い日になる気がする。
そんな事を考えながら歩いていると前に幼馴染を見つけ、追い抜くように回り込み声をかけた。

「おはよう!今日は早いね」
「おはよう……昨日寝る前に映画を観たら3部作でね、そのままずるずると朝なのよ」
夜型の幼馴染がこの時間にいるのが珍しいと思ったら、彼女は昨日の延長に成功しても今日のスタートダッシュには失敗したらしい。けど失敗したからと言って朝のやり直しは出来ないわけで。
「今日は1限目に歴史の授業があるけど大丈夫?教室に着いたら少し寝る?」
「寝てもいいけど……起きた後の歴史の授業に耐えられる気がしないからコーヒーでも飲んで目を覚ますよ……」
彼女はコーヒーを買う前に道の途中で寝てしまいそうな勢いだ。
私はその後、少しくたびれた学校の門をくぐり。下駄箱でコーヒーを買いに行った幼馴染と別れ、今となっては使われていない空の教室を横目にクラスへ向かう。
空室が目立つのは、この学校の生徒数が少子化の影響で一気に減ったかららしい。
人数が多ければ良いって話ではないけれど、今見ている空の教室にも人が賑わい溢れていたと思うと少し寂しくもなる。

クラスに着き自分の席に座り、本を取り出そうとしていると。なぜかコーヒーを買いに行くと言ったはずの幼馴染がお茶を片手に席に座ろうとしていた。
「あれ?コーヒーは?」
「コーヒーが無かったからお茶買ってきた、誤差だよ誤差。好きな2限目の化学の時間になったら目が覚めるからそれまで持てばいいし」
(コーヒーとお茶が誤差?)
彼女は何を言っているのだろう?最初は意味が分からなかったが、コーヒーとお茶に入っている眠気覚ましはカフェインだと気が付くと彼女の発想に目からうろこだった。
彼女は目的のために手順を変えるのが上手い、宇宙でボールペンが使えなかったら鉛筆を使うタイプだ。逆に国語の読み解き問題では深読みして失敗するタイプでもある。
そんな失敗があったからか彼女は化学好きの理系だった。
「どうしたの?人のことじっとみて」
「……カフェイン量はわかるけど。私なら眠気覚ましのためにコーヒーを買いに行ったとしても、お茶を買わずにカフェラテとかを買うだろうなと思って」
危ないところだった、どうやら私はコーヒーとお茶の共通点を探してフリーズしていたようだ。

彼女はふーんとでも言いたげにお茶の缶を開け飲み始めた。きっともう、彼女の話は終わったのだろう。
それならと私は持ってきていた本を読もうと視線を本に戻すと、今度は彼女から話しかけてきた。
「お!また歴史の本を読んでるの?」
「うん、今日は近代の歴史の本を読んでる。大体が戦争の話だね」
私は彼女と違って文系だ。特に歴史が好きで過去を学んだ時に異世界感を感じるが、そこからの過程を学んでいくと確実に今の時代に繋がってると感じられるのが好きなのだ。
「しかし言ってることとやってることが合ってないのよね。世界に滅んで欲しくないなら工学とか学んで世界の役に立てればいいのに」
ずいぶん嫌味な話だ。でも、彼女は本当にそう思ってるのだと思う。世界が滅びると知っていながら歴史を学んでも何の意味もない。でも、世界に滅んで欲しくないと願う気持ちと、歴史が好きな気持ちは、困ったことに同居できてしまうのだ。
「……」
「まあそんなもんか、好きなものは好きだもんね」
少し黙った私が怒ったと思ったのだろうか、彼女は私が思っていることをそのままフォローの言葉に使った。
だから私は今までの事が無かったようにふるまって答えるのだ。
「そう、好きなものは好き!」

私が文系で彼女が理系、ほかにも色々違うところはあるけれど不思議と一緒にいて楽しかった。
けど彼女の意見と私の意見で確実に食い違う事が一つだけあった。
「けど世界に滅んで欲しくないと思うならこう考えてよ」
「体が元気なうちに世界が終わることをラッキーって!」
私と違って彼女は世界が終わることを嫌だと思っていなかった

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昔々、遠い未来の話
ある星にとんでもない罪人集団がいた。そんな彼らをとてもではないがその星の罪状では裁くことができなかった。
そこでその星の住民はとんでもない裁きを考え出した。
特定の条件で爆発する爆弾を埋めた星に罪人集団を送り文明が発達し繁栄した段階で子孫もろとも星を爆発させるという裁きだ。
罪人たちとその子孫は人類の歴史をなぞるように文明を発達させ、共に助け合い、殺し合い、奪い合った。
そしてその子孫たちが過去例をみない大規模爆弾を開発したとき、爆弾のカウンターが100年を指した。
この物語はタイマー起動から70年が過ぎた世界を舞台にした
理不尽な運命をただ待つことしかできない二人の物語

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サンプル2

(体が元気なうちに世界が終わるからラッキー……か)
授業が始まってもその言葉が頭から離れなかった。
彼女は世界が滅びることを嫌だと思っていない。けどそれはこの世界では変なことではなかった、今この世界ではそんなネガティブに前向きな考えが流行している。
それこそ最近のテレビでは終活と銘打って、悔いのない人生の過ごし方を紹介するようになった。
けど私の中では人生半ばに世界が終わって強制的に人生が終わるのが一番の悔いだ。
だからと言って私は何か行動をするわけでもない。いや、何をしたらいいのかわからないって言い方が正しいのかもしれないが。そんな私のように、中途半端に世界に滅びて欲しくないと言いながら何もしない人間の方が少数だ。
何もできない、しても意味がないとわかったとき私はむしろ気楽に生きれるかもしれない。

キーンコーンカーンコーン
そんな事を考えていたら今日の授業が終わってしまった、やはり答えのない問題を考えるのは危険かもしれない
そんなことを教訓として胸に刻みながら鞄を手に取り立とうとしたとき、隣から突然声をかけられた。
「私勝ったよ!これは完全勝利Sだね!帰ろう、私たちの一日は始まったばかりだよ!」
授業の内容を質問したら勝利ランクをBぐらいまで落とせそうだけど、私も覚えてないので彼女の完全勝利は揺るぎのないものだった。
しかしこのハイテンション、今は太陽が沈みかけてるけど彼女は一足先に深夜テンションなのだろうか?
「帰るのは良いけど一日は始まったばかりってどこか寄るの?」
「ケーキを食べに行こう!青春を謳歌するんだよ!」
ずいぶん高い理想を掲げられてしまった、ケーキを食べて青春を謳歌するのは難易度が高そうだ。
「私青春を謳歌って言ってる人初めてみたかも、もしかして語感だけで使ってない?」
「何言ってるの!私たちは今、一瞬一秒を青春してるんだよ?だからケーキを食べてる時間だって謳歌できるんだよ!」
彼女のどや顔にひるんでしまったが私は一瞬考えて。
「そうかもしれない……と思ったけどなんか違う気がする!」
そういうと私たちは私たちは顔を見合わせプっと吹き出すと、夕日で朝よりもくたびれたように見える学校の門を抜け。私たちはケーキを食べに行くために歩き出した。

誘われた形ではあったけど私はケーキが大好きなので、少し歩くころには心はケーキでいっぱいだった。イチゴにチョコレートにフルーツタルト。何を食べるか悩んでしまう。
「ケーキ食べるなんて久しぶり、あなたは何を食べるの?」
「私はフルーツ系だね、フレッシュフルーツが一番だよ」
「でも甘いものを食べに行こうなんて珍しいね」
「……節約のために最近ずっと安いぱさぱさしてるクッキーとあまり甘くないチョコレートを食べていた自分を蘇らせようと思って」
私の記憶が確かなら幼馴染が熱心に甘いものを求めるところは見たことが無かった。だから珍しいと言ったのだけど彼女の返答は意味のわからない物だった。私がポカーンとしてると彼女は少し暗い顔で話始める。
「もともとそのお菓子は宇宙脱出計画用に作られてるだけあって不味くはないの、だけど美味しくはない」
「だからずっと食べてた、安いしマズくないし割と満足感もある」
「でもあるとき思ったの。これは生かされてるなって、もし、このまま食べ続けたら、一生これで満足感を得て生きていくのかなって」
「そう考えたら途端に怖くなったの、だから私は保存食ではないフレッシュフルーツを食べて生かされてた自分を蘇らせるの!」
幼馴染の言っていることはほぼ理解できなかったが、どうやら彼女は昔計画されていた宇宙脱出計画が頓挫したときに放出された食べ物を最近毎日食べていたらしい。
私もたまにお金が無いときに食べるけど特別喜んで食べたいものではないので彼女の言っていることも少しは理解できる。ただ自分を蘇らせると思うほど食べて追い込まれたことはない。その考えに行きつくまで食べ続けた彼女には少し恐怖も感じる。
「そ、そう……実験で食べ続けた人がそう思ったから計画は頓挫したのかな?」
「そうだね~本当に良かったよ、そもそもあれを200年分積んで宇宙に行くなんて計画が存在してたんだから正気を疑うよ!」
昔、本で読んだ知識の食べすぎ防止のため微妙な味にしたって話をしようかと思ったけど、これ以上無駄に幼馴染を怒らせも仕方が無いので他の話題を出すことにした。

「そういえば私の家の近くの道の工事がやっと終わったんだよ」
「おお!おめでとう!いつからやってたっけ?春だっけ夏だっけ?」
「いつからだっけ?たしか春だった気がするけど今が秋だからだいぶ時間かかったよ」
「そこら中で工事してるもんね、覚えてらんないか」
「そうなんだよ、やっと迂回しないで駅に行けるから嬉しい。でも今度は駅前が工事らしくて困っちゃう」
話している途中、幼馴染の顔が優しそうな顔に戻り少し安心したが、駅前の工事の話をすると幼馴染の顔がショックに染まる。
「え?本当?じゃあ今後は5分は早く家を出ないとダメってことじゃん!」
「恨めしい・・・人手不足が恨めしい・・・」
「いやいや、そんな世界が終わるんじゃないんだから。それに工事の人も少ないし仕方ないよ」
夜型の彼女には悪いけど朝型の私にはそこまでショックではないので当然のことを言うことしかできない。
そもそも昔から少子化は進んでいたが、爆弾爆発まで半分を切った時から一気に出産する人が減ったらしく。元気な体が必要な土木工事の人間は、もはやインフラを維持できているかもギリギリな人数しか集まっていないのだと思う。
「朝の5分がどれだけ貴重か・・・まあいいや!今はスイーツだ!」
「待ってよ!走らなくてもケーキは逃げないよ!」
「逃げるんだよ!目の前で売り切れたらどうするの!早く早く!時は金なりだよ!」

ケーキ屋が見えてきて、突然走りだした幼馴染に驚きつつも私も少し遅れて走りだした。一足先に走りだした彼女の声を聞きながら走り、ケーキ屋に着くとふたり一緒のケーキを選びなんでもない話で盛り上がった。
クラスの事、授業の事、不味い宇宙食の事。
きっと傍から見たら私たちはこのとき一瞬一秒の青春を謳歌してるようにみえるだろう。

サンプル3

朝、月が太陽に隠れて見えなくなる時間。
私はいつものように鞄に本をつめ、時間に余裕をもって学校へ出発した。
今日は歴史の特別授業があるから絶対に遅刻はしたくないのだ。
学校に着きクラスの自分の席で本を読んでいると、隣の席の幼馴染がホームルームの時間ギリギリでやってきた。
「危ない危ない!駅前の道が工事してるの忘れてて遅刻するところだった!」
恐らく全速力で走ってきたのだろう。彼女は席に座るなりぐったりとしてまるで溶けているようだ。
走ったのは気の毒だけど走ったのに遅刻をするよりましだ、今は間に合った事を祝ってあげよう。
「でも間に合ってよかったね」
「明日から5分は早く家を出ないとダメだけどね……」
彼女はどこか遠くを見て今にも消えてしまいそうな虚ろな目だ、どうやら慰めは必要なかったらしい。

そんな事を話しているとチャイムが鳴り、ピシッとスーツを着込んだいかにも役人と言った感じの特別講師が入ってきた。
「今日の授業は今から70年前、この星を爆散させるほどの威力を持つ爆弾が見つかったころから現在まで、私たちがどう対応してきたを学びます」
今日は近代の歴史を学ぶ特別授業だ、たぶんこのクラスで楽しみにしてるのは私ぐらいだろう。
「まずこの爆弾は昔から存在し現在の科学でも謎の多い、いわばアーティファクト的な物とされ発掘された遺跡は観光地になっていました」
「ですが先の大戦で戦略のため核兵器を開発し実験をしたところ、実験場所から大きく離れた遺跡から実験と同時刻に突然発光をはじめアラーム音と共に何かのカウントを始めたと情報が入ります」
「カウントを解析すると、我々の時間で大体100年後に0になるようになっているとわかりました。そして発光はこの世界でいうプロジェクターのようになっていて解析するとこのような映像が出てきました」
教室が暗くなりスライドが始まる。1枚目は緑に覆われているのでわかりにくいがこの星の衛星写真、2枚目で星がバラバラになり、3枚目で跡形もなくなるというとても分かりやすいものだった。
ただこの手の画像はもはや見飽きているのもあり、クラス中からあくびの音が聞こえる。
「このメッセージから私たちは、これを星を吹き飛ばす規模を持つ爆弾と考え行動しています」
それにしても、明確な殺意を感じるのにこちらに時間的猶予を与える。どうやら爆弾を仕掛けた奴は相当に嫌な奴らしい。
ふと隣を見ると幼馴染が何か考え込んでいる。化学の時間以外で悩んでいるのは珍しいし、彼女は突然妙なことで悩みだすことがあってその時の様子に似ていた。
彼女は真面目な顔でスッと手を挙げ授業が止まることなど気にせず質問をする。
「なぜこの星は爆破されなければいけないんですか?」
彼女が質問をすると一瞬静寂が訪れた、私を含めクラスのみんなも講師の先生もいまいち質問を理解できなかったからだ。
講師の人が少し考え「目的はわからない」と答えると、彼女はお礼を言って手を下げたが納得したようには見えない。
(なぜ爆破されるのか?爆破される理由?そんな事を考えてたの!)
誰かが仕掛けた爆弾で爆破されるからこの星は滅びる、そんな突拍子の無い話なのだからそこで理由を考えるのは狂人の気持ちになるようなものだ。
その後も私は難しい顔をしている幼馴染のことが気になり授業には集中できなかった。

授業が終わり、休み時間。私の隣の席には今でも難しい顔をしている幼馴染がいる。
「まだ考えてるの?」
私が声をかけると、彼女は恥ずかしそうに少し笑うと話だした。
「私はこの世界は滅びるから滅びると何となく思って生きてたの、だから滅びることに嫌な気持ちはない」
「それにこの世界は明確な意思によって滅びようとしてるのもずっと昔から知ってた」
「でも今日の授業を聞いていたら私の中で『何で?』って疑問が出てきたの『何でその人たちは滅ぼそうとしてるの?』って。変だよね、そんなこと考えたって意味は無いのに」
本当に変な話だし私には理解できない。でもそんな彼女をわたしは放置できなかった。
「滅びても良いのに理由は知りたいなんて私にはわからないよ、それにこの話は誰にもわからない、だから今は考えるのは止めよ?」
「そうだね、朝走って少し疲れてるのかも」
そういうと彼女の顔は明るさを取り戻しいつもの笑顔で微笑んだ。いつもの彼女に戻ったことに少し安心しつつも、質問のために手を挙げる彼女の真面目な顔が頭から離れない。
彼女は無理をして何かを抑えている、そんな様子が見ていて辛かった。

書いてみて

昔の自分の文章をみると直すところが多い。
完璧だとは思ってないけどそれなりに直せたと思う。
サンプル1は個人的に気に入ってるから作り直したくないけど不満は多い。
サンプル2が日常日常し過ぎてて、これで良いのか?って思うときはある。
サンプル3は次に書くサンプル4の内容のためのものだから今はこれで良い。もし、サンプル4で不満が出たらサンプル3も直すことになる。
『。』はすごい。
地の文と会話文の整理もすごい。

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