newそうだ、何か書こう1

前回、なろう小説を書こうとおもい、ネタ出しをしました。
今回はネタ出しの内容を使ったり使わなかったりしながら頭を書いていきたいと思います。

冒頭

僕が住んでいるここはレマニ国のホルス村、畜産で成り立っているのどかな田舎だ。

「ホイロ、成人の儀のための着替えはできた?」
「うん、大丈夫だよお母さん。もう12歳だから一人で着替えれるよ。」

このレマニ国では12歳になると成人の儀が行われ女神様から一つスキルを貰える。
僕はこの日を待ち遠しいしていた、この国ではスキルを手に入れて初めて一人前と認められるからだ。

「まあ、そんなに緊張しなくていいんだよ。どんなスキルだって誰かの役に立つんだからね」

そう言って優しく笑ってくれているのはお母さんのワクネ、ちょっと過保護なぐらい優しくしてくれるお母さんだ。

「もし、自分の嫌いなことのスキルだったら忘れて帰ってきな、無理してスキルを活かす仕事を探さなくてもいいんだから。」

「あはは……、行く前から励ますのはやめてよ。」

実際スキルと言っても今後の生活を左右するような称号と言われているスキルを得る人はごくごく少ない。
その称号と言われているスキルの代表格となるのが勇者のスキルだろう。
世界の常識や神の力にも従わない無限の可能性を秘めている、それが勇者のスキルだ。
ただ、大抵の人は自分の能力の底上げをする程度のスキルを貰うことになる。
実際お母さんは料理のスキルを持っているがそこまで料理は上手くない、なぜなら料理が好きじゃなかったからだ。
ただ、どんなに適当につくってもそれなりに美味しい料理になったのはスキルのおかげなのだろう。

「それじゃあ頑張ってね。帰ってきたらゆっくりシチューを食べながらこれからの話をしようね」

「ありがとう!じゃあ行ってきます!」

女手一つでここまで立派に育ててくれたお母さんには感謝しかない。
貧乏ではあったが基本的な読み書きを学ばせてくれたし、悲しいことがあったらそっと抱きしめてくれた。
どうか良いスキルを手に入れて親孝行をしたい、そう思っていたのに……


「うーん?これは……」

神殿に着き女神様の像にお祈りをすると、スキル名が像の前の水晶に現れた。
しかしなんだか神官様の様子がおかしい。

「これはまさか……」
「ええ、この本にも書かれている……」

他の神官の方が何やら本を見ながらひそひそと話している。
こういうときは大抵ろくでもないことだ。
お父さんが病気で死にそうなときもそうだった、近所の人は僕たち親子に聞こえないようにひそひそと話をしていた。

「えー、ホイロ君。どうか気を落とさずに聞いてほしい。」

だから祈った。どうかスキルが人を不幸にするものではないことを。

「君のスキルは予知だ」

「え?……」

そんなスキルは聞いたことがない、そんなスキルは村の誰も持ってない。

「このスキルは30年に一人程度しか得ないとても珍しいスキルだ、君は将来起こることがわかる。ただこれは酷く残酷なスキルなんだ。」

神官様がいうには、 昔、妻が盗賊の放った矢に刺され死ぬ未来を予知した者がいた。
夫は未来を変えようと妻が強盗が現れる場所に立ち寄らないように部屋に閉じ込めた。
しかし、時間になり部屋を開けると妻の姿が無く。遠く離れた予知した場所で強盗の放った矢に刺されて死んでいたのだ。
知っていながら運命には逆らうことのできなかった夫は自ら命を絶ったという。

過去、何人かの予知スキル持ちが同じように未来を変えようとし何もできなかった自分を悔い命を絶ったらしい。

「基本的にスキルの使用を祈らなければ予知はしないが、自分に関係深いものは勝手に予知してしまうそうなのだ……」

「自分の死なども予知できたってことですか?」

「そうだ、自分の死や愛する人の死をただ待つしかなった。予知の仕方はいろいろあったが結果が変わらないのは同じだったそうだ」

「そんな……」


神殿からの帰り道、僕は考えていた。

神官様はスキルは使わないほうが良いと言っていた。
僕も最初はそう思った。けど、これから嫌でも未来を知ってしまう、きっと大切な人の死も自分の死も。
でも、逆に言えば予知していれば覚悟する時間を貰えてるってことだ。
だから毎日スキルを使おう、大切な人との別れを悔いなく迎えられるために……。

「ただいま」
「あら、おかえり。どうだっ……」

お母さんは何も言わず優しく僕を抱きしめてくれた。
いろいろ考えていたはずだった、スキルと上手くつきあって生きていこうと決めたはずだった。
でも僕は帰ってきたとき泣いていた、何も言わずにいてくれたお母さんの優しさが嬉しかった。

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