そうだ、なにか書こう 草案
来年の春に死ぬ予定の主人公がレンタル〇〇業をする話
タイトル未定
春、自殺者が一番多い季節。私も例にもれずそのうちの一人になろうとしていた。
死ぬ理由は特になかった、辛いこともなかったが特に生きていたい理由もなかった。
俯き、死に方を考えながら桜並木を歩いていると誰かに呼びかけられ顔を上げる。
美しい絵を見たときに絵が呼びかけてくるようだと言うことがあるが、いつから生えているのかも知らない大きく広がる美しい桜の花は確かに私を呼びかけている。
『桜の木の下には死体が埋まっている』
よくある都市伝説だけど桜が言うにはそれは真実らしい。
でも、どんな死体でもいいわけではない。埋まっている人の様々な経験や思い出がキレイな花を咲かす。
だからそこら辺の自殺者より楽しい記憶が少しだけ多い私が欲しいらしい。
ふざけたことを言う桜だけど面白い桜だ。
提案に乗っても良かったけれど1年待ってもらうことにした。
せっかく自分の意思で死のうと思ったのにこのままでは桜のために死ぬことになる。その上その桜も妥協して私を選んだとなれば腹も立つ。
桜が頼み込んでくるような思い出を作って私が優位な状態で死んでやろう。
そんなちっぽけな反骨精神で最後の1年の思い出作りが始まった。