ポエム スポーツ嫌いはeスポーツを好むのか
「eスポーツをオリンピックへ」
こんなことを偉い人が言い始めて何年たっただろうか、2019年も残り4分の1となった今もオリンピックにeスポーツが登場する気配はない。
しかし、eスポーツはオリンピック競技にならなくても競技性を重要視したゲームは続々と生まれている。
競技性と腕前が重要視されるゲームは私の中でまさしくスポーツだ。
しかもビデオゲームの特徴である簡単に配信ができるのもライブストリーミングサービスが発達した現在にとてもマッチしている。
しかし、eスポーツはスポーツになるにつれて元からいたゲーマーを置き去りにしていないだろうか?
私はゲームの醍醐味は努力し、一つ一つ問題を解決していけばいつかクリアできるところにあると思う。
初代マリオで最初のクリボーにぶつかる人間も、クリボーの手前でジャンプする、穴の手前でダッシュしてジャンプする、などの問題に対する解決をしていればいつかは1-1をクリアできる。
しかしこれはPvEゲームの話だ。PvPとなると話は違う。
PvPはプレイヤーバーサスプレイヤー、簡単に言えば対人ゲームのことをいう。
ゲームによって腕前重視だったり運重視だったりするが、戦う相手が画面の向こうの人間ってことは変わらない。
正直私はPvPゲームは好きではない、マッチングで難易度は変わるのに勝たなければいけないという雰囲気は疲れる。
しかし、PvPの魅力はそこなのだ。腕前を磨き世界中のつわものと戦い勝利の美酒に酔う。勝ったときには脳から変な物質が出ているような気分になる。
でも私はPvPが好きではない、だったらPvEをやってろって?私もそう思う。
ここまで書いてわかると思うがゲーマーには種類がいる、私は実力主義のPvPゲームは好まないが逆に好む人間も多くいる。
今まで私たちは別の場所に住んでいた、対人が好きな人間はゲームセンターに行ったし好まない人間はコンシューマーのシングルゲームを遊んでいた。
革命がおこったのはPS3にLANポートが付いたころだろうか。PCゲームではオンライン対戦はすでにあったがついに一般層にもオンライン対戦が降りてきたのだ。
そして、今はほとんどのゲームがオンラインサービスに対応している。
問題はここからだ、PvEゲームへのPvPゲームの浸食だ。
ゲームの開発者というものはよくわからないがオンラインといえば対人だと思っている。
MGS5でFOBミッションが発表されたときは余計なことをと思ったし。
ダイイングライトの他プレイヤーワールドへの侵入はシナリオ進行の邪魔なだけだし。
ゴーストリコンワイルドランズのPvPやるならシージやるだろと思ったし。
DOOMにPvPが追加されたとき私には理解できなかった。
どれもこれもPvEだけで良かったのに無理やりPvPを付けたものだ。
オプションでPvPをoffにできるのでまだマシだが、思い付きでPvPを付けても誰も幸せにならない。
問題はここからだ、PvEゲームへのPvPゲームの浸食だ。
思い付きでPvEゲームにPvPを付けても誰も幸せにならない。
重厚なシナリオゲームを遊びたかったユーザーがおまけ要素のPvPで遊ぶだろうか?
少なくともPvEが売りのDOOMのPvPは過疎化が進んでいる。
そして最初にも言ったが近年はeスポーツブームだ、この先とってつけたようなPvPゲームが乱発するに違いない。
だから私はこれだけは言いたい。世の中にはPvPを遊びたくない人がいる、トライアンドエラーの積み重ねのシングルゲームを愛してる人もいる。
スポーツという勝ち負けの世界が嫌になって達成を求めてゲームをやっているオタクもいるのだ。
ゲームにはこの先も競技性だけではなく競技性から逃げたオタクの逃げ道であってほしいと私は思う。