ポエム そうだ、なにか書こう16
投げられたお題を打ち返しました
お題「カーテン VRゴーグル」
ボツ
ゴーグルをがぶる人のいる部屋
カーテンがない部屋
外から眺める
時間が流れる
いつかカーテンが閉じられて電気が消えるようになった
ボツ
最近街に不審者が出るそうだ。
学校の先生が言うには、箱の形の眼鏡を被るおじさんがフラフラと歩きまわっているらしい。
ボツ
チクチク言葉とフワフワ言葉と言う言葉が生まれて5年。
フワフワ言葉と言う言葉が推奨されるようになってから3年。
フワフワ言葉しか見えない聞こえないフィルターが搭載されたゴーグルが発売されたのが去年。
そしてついに今年、全日本人がこのゴーグルを被るようになった。
誰だって酷い事を言われたくないし、汚いものなんて見たくないのだから皆買うのは当然かもしれない。
こうして日本は優しさに包まれた。
だから人々がカーテンの奥のVRゴーグルにチクチク言葉を求めるもの当然だったのかもしれない。
タイトル「 新しいメッセージ『一緒に死にませんか?』」
VRゴーグルの向こうに世界が見える。
私が今見ている草原が広がるファンタジー世界は現実ではない。
でも、私の少し上に垂れているロープが現実なのかといえば見えないので現実味が無い。
ゆっくり深呼吸をして呼吸を整えるとフィールドで隣に立っている友達へテキストチャットを送る。
『1分後に一緒に飛ぼうね!』
『私本当に楽しかったよ!』
椅子に立ち手探りでロープを掴むと、仮想世界にいる友達には見えない笑顔を浮かべながら私は椅子を蹴った。
私は生きるのが辛かった。
親からの期待も世間からの評価も私には重かった。
私は何もできなかった。
何一つ成し遂げることができなかった。
私には何も無かった。
昔はいたはずの友達も手のひらから零れ落ちていった。
全てを投げ出した私には壁とカーテンで囲われた部屋とパソコンが全て。
昔流行ったオンラインゲームが私の唯一の居場所、そしてハンドルネームの『cendo』が私の名前だった。
そんなとき、ゲームのクランに新しいプレイヤーが入ってきた。
プレイヤーネームは『_*』女かも男かもわからない彼と私はなぜかすぐに打ち解けることができた。
<—仲良くなった経緯を書くといいぞ、私–>
そんな生活が2年も続いたころ、両親が交通事故で死んだと連絡が来た。
葬式や火葬でしばらくゲームにログインできない日が続き、久しぶりにゲームを起動させるとすぐにチャットが飛んできた。
『 _* >久しぶりです、元気してましたか?』
『 cendo>親が死んでしまって…これからどうしようって感じです』
『 _* > そうなんですか…』
『cendo>遺産でしばらくは生きて行けそうですけどねwこれが尽きたらどうしよう』
『 _* > だったら』
『 _* > パーッと使って、尽きたら一緒に死にませんか』